大会長ご挨拶
第19回日本核医学会春季大会のご案内
第19回日本核医学会春季大会
大会長 畑澤 順
第19回日本核医学会春季大会を、平成31年4月27日(土)~4月28日(日)の2日間、東京 虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催いたしますのでご案内申しあげます。
放射性同位元素を用いた核医学診療、特に核医学治療の推進は、厚生労働省の第3期がん対策推進基本計画、「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」の指定要件に盛り込まれました。悪性腫瘍の核医学治療は、内閣府原子力委員会の「原子力白書(平成29年度版)で初めて「医療・医学分野の放射線利用」のひとつとして取り上げられ、大きな期待が寄せられています。核医学診療は、国の医療政策の重要な柱として位置づけられるに至りました。日本核医学会は、関係団体などと協力し、放射性同位元素の医学利用に際してその安全性を高め、安心して受けられる核医学診療の普及に向け活動しています。
昨年までの春季大会にご出席いただいた会員の皆様から、運営上改善すべき点について多くのご意見が寄せられました。それに基づいて、講演プログラムの見直しを行いました。現在は東京を中心に春季大会を開催していますが、今後は新設の日本核医学会支部(全国に7ヵ所、平成30年11月発足)を中心にした開催も可能になります。今後も皆様のご意見をできるだけ日本核医学会の活動にフィードバックいたします。さらにご意見いただきたくお願い申しあげます。
春季大会は主に教育を目的とした学術集会です。核医学基礎セミナー(卒後研修医コース、初心者コース、看護師コース)、専門医教育セミナー、PET研修セミナー、PET核医学エキスパートセミナー、PET施設認証セミナー、アミロイドPET読影講習会など、教育・専門医審査委員会(橋本順委員長)、PET核医学委員会(細野眞委員長)を中心にプログラムを組みました。「PET研修セミナー」は医師・歯科医師コースと診療放射線技師コースを設け、PET核医学認定医、PET核医学歯科認定医や核医学専門技師の資格を取得される上で必要な、法的規制・放射線防護・読影のポイントなど、PET診療に必須の基礎知識と実際上の取り扱いが解説されます。厚生労働省が求めている「陽電子断層撮影診療に関する所定の研修」の要件に沿った形で構成されています。なおこのPET研修セミナーは日本核医学会が主催し、日本核医学技術学会、日本医学放射線学会、日本放射線技術学会、日本診療放射線技師会、日本アイソトープ協会との共催となります。将来のアミロイドPET診療には「PET施設認証セミナー」、「アミロイドPET読影講習会」の受講が必要になります。核医学基礎セミナー看護師コースは、核医学診療看護師制度の発足に伴い、核医学診療看護師の資格申請に必要になります。
特別企画として、「安全文化の醸成に向けた取組み(仮題)」(原子力規制委員会 原子力規制庁 松本武彦氏)、「核医学セラノスティクスの最前線」(ハイデルベルグ大学/大阪大学 Prof. Dr. Frederik Giesel)、「医療用放射性同位元素の国際的供給体制」(日本放射性医薬品協会 中村壮一氏)、「共通の敵“がん”とどう向き合うか?―核医学への期待―(仮題)」(がんサポートコミュニティー 大井賢一氏)の講演を予定しています。新規放射性核種の核医学治療への応用、新規放射性医薬品の薬事承認、保険収載が期待されています。また、核医学診療に対する患者さんからの期待が大きく膨らんでおり、患者さん、核医学診療に携わる医療人、核医学関連企業、日本アイソトープ協会が協働して、核医学診療推進国民会議が立ち上がりました。このような現状について、皆様と情報共有できる機会になればと思います。
今年も最新の情報を盛り込んだプログラムを用意しておりますので、多くの皆様のご参加を心からお待ちしております。
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